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フランス全土で約一〇万人いるといわれるホームレスや母子家庭は二〇〇八年から、一般国民は一二年から、この法律の適用を受けられます。そのうえで同法は、社会賃貸住宅が少ない自治体に対し、社会賃貸住宅を供給しなければならない義務を強化し、住宅困窮者から請求があった場合に対応可能にしました。この措置によりHLMによる社会賃貸住宅が〇七年に約一二万戸、〇八年、〇九年には各一四万戸強が供給されると政府当局者は説明しています。つまり、権利請求に対する受け皿もここでは約束されたわけです。
国民の居住権を法的に認めても、その権利を具体化しうる住宅がなければ、その権利は「絵に描いた餅」に帰してしまいます。その措置もなされることが約束されたことは、「ドン・キホーテの子どもたち」の訴えが全面的に認められたといっていいでしょう。こうしたフランス政府の手早い対応を知ると、彼我の差をあらためて痛感せざるをえません。
日本で年越し派遣村に集まった住まいなき人たちに対する政府の対応とは、大きな違いがあるからです。それは、その場しのぎといっていい対応でしかありませんでした。いまだに問題は解決の方向さえ見出せないでいます。なぜ、こうも違うのか、ここでもまた私たちは重い課題を突きつけられているといっていいでしょう。4米国の低所得者向け住宅政策サブプライムローンの破綻ところで、二〇〇八年以降、サブプライムローンが破綻して世界経済不況の引き金を引いた米国では、中低所得層対象の住宅政策はどうなっているでしょうか。サブプライムローンとは信用度の低い低所得者を対象にした住宅ローンです。
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一家四人別々にというのは、住宅を売ってもなお借金が残り、一緒に暮らす住まいを確保できないためと説明されていました。やはりと、悲痛な思いにとらわれました。私を含めて団塊の世代までは、生涯賃金の大半をつぎ込めば住宅確保は可能な場合が多かったのですが、その下の世代の勤労者はもはやそれも不可能になったことを示すエピソードです。
まして、より低所得の人たちの居住水準改善や現に住まいなき人たちの住宅確保はますます難しくなっています。もはや、これらの人たちが適切な価格で、適切な広さの住居を、適切な場所で確保すること(すなわちアフォーダブル・ハウジング)は不可能なのでしょうか。日本で国民の居住権が保障されることはないのでしょうか。